卒業生は今~福岡の面白いクリエイティブ会社を訪問しました~
2019年3月に卒業した2人の卒業生がいる会社「カラクリワークス株式会社(中央区平尾)」様に訪問しました。
カラクリワークスは、「Pechakucha Night」や「OKINAWA Dialog」、「いとシネマ」…など様々なイベント企画から制作をしているデザイン会社です。
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CEO(最高責任者)の濱門慶太郎さん
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カケダシイラストレーターの林果歩さん
(グラフィックデザイン科卒業)
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アシスタントプランナーの田中美涼さん
(ハカタプロダクツ科卒業)の3名にインタビュー。
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インタビュアーは教務課責任者の大賀琢実先生。
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では、早速…インタビューをどうぞ
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大賀先生)今年の4月から入社した二人は現在どんな仕事をしていますか?
林さん)どんな仕事しているんですかね~?(笑)
濱門さん)(笑)う~ん謎ですね。基本的には2人ともまだアシスタントをしてくれている段階ですかね。
林さん)そうですね。今のところは先輩のお手伝いをしています。カラクリワークスでは、企画から制作まで行っているので、例えば写真素材を集めたり、切り抜きの作業をしたり、スケジュール調整したり、様々な業務を手伝わせていただいています。
濱門さん)林さんの場合は、アシスタント業務プラス自分のオリジナルデザインを商品化する動きもしているよね。
林さん)はい。今はオリジナルデザインの商品展開・販売方法を考えていて、できるだけ多くの人に訴求できる方法を考えていますね。
大賀先生)オリジナルデザインの商品化?卒業作品で制作した「米騒動」もそうだよね。どんな商品にしていこうと考えているんですか?
林さん)そうですね。今はファッションアイテムにすることを考えています。身につけたいなぁそう感じるような商品を考えていますね。
大賀先生)先輩の業務手伝いと自分のキャラを商品化する仕事、割合はどんな感じですか?
林さん)そうですね。基本は先輩の業務サポートを優先的にしています。でも先方からの返答待ちの空き時間を利用して制作をしていますね。
濱門さん)…先方?なんか社会人らしい回答をしましたね。成長した~。(みんな笑)
大賀先生)そうだよね。林さんは学生時代からカラクリワークスさんにお世話になっているもんね。
林さん)はい。卒業年度の9月くらいからインターンシップに来ています。もう少しで一年になりますね。
▼林さんの卒業制作「米騒動」
大賀先生)田中さんは?
田中さん)私も先輩のお手伝いをさせていただいています。
濱門さん)当初2人とも同じ業務をしてもらっていました。最近では2人の得意な部分を活かして、林さんが企画と制作、田中さんは企画と進行をメインにしてもらっています。2人が入社して大きな仕事は熊本の仕事かな。田中さんには3日間の撮影の香盤表を制作してもらいましたね。雨もあったし、変更もあったしね。大変だったと思います。
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熊本市からの依頼で制作した仕事はコチラ「熊本はどう?」
写真は西山勲さんが撮影しています。
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大賀先生)林さんが希望する就職先は、普通のデザイン会社じゃなかったですね。そこでカラクリワークスを紹介したんです(笑)。御社は面白い企画から制作までを手掛けていらっしゃったので、林さんはこういう感じが好きだろう、そして何よりカラクリさんにいる人達と合うだろうなぁと思っていました。林さんの最初の印象ってどうでしたか?
濱門さん)そうですね。林さんは変わった子だなぁ~と思いました(笑)。正直、当時は新卒の採用は全く考えていませんでした。でも凄く期待感はありましたね。彼女なら何かやってくれそうな感じがしていました。そして、私たちの会社にぴったりと合うと思いました。彼女を紹介していただいて、はじめて会社に来たとき、本人から「自己PRをさせてください!」って話があって…あれは本当に良かったですね。林さんの作品はインパクトがあり、その作品の制作経緯とか話をしてくれて、どんな思考で、どんな事がしたいか、私たちも理解できたので、それを聞いて一緒にやっていきたいなぁと思いました。
美術大学の学生とは違うなぁと思いました。美大生は、ある意味もっとプレゼンテーションも制作物も整っているんです(笑)。でも林さんはそういうテクニックじゃなくて、「気持ち」が伝わってきました。プレゼンが上手い人は社会に沢山いるし、そこが一緒に働きたい人(理由)ではありませんから。
大賀先生)それは嬉しいですね。田中さんが入社した経緯は?私は正直、田中さんからカラクリワークスさんに入社したと聞いてびっくりしたんですが…。
田中さん)卒業作品展の時、私の作品の前にイカツイ2人のおじさんが立っていました(笑)…一人はロンゲのおじさんで、一人は髭のおじさん。私の作品の前でずっと話しをされていました。(それがカラクリワークスの代表と濱門さん)
いや~作品の悪口でも言われているのかなぁ?と思いましたね。そうしたら目があってしまって「これつくったのあなた?」「いいね~」と言ってくれました。後日、「会社に遊びにきませんか?」とTwitterで連絡がきました。不安も少しありましたが、遊びに行ったんですね。何の準備もしないままに…そうしたらまたおじさん(濱門さん)が私の前に座って…いつのまにかの面接?になっていました(笑)その場にポートフォリオはなかったのですが、持っていたパソコンにデータはあったので、作品をお見せしたら、5ページくらいで「もういいよ~」って…あ~興味を持っていただけなかったかと思いました…(笑)。
「就職、決まってないんだよね。春からどうするの?ウチに来る?」ってビックリです。
濱門さん)いや~卒業作品展の作品が凄く面白かったんですよ。企画力のある学生だなぁと思いました。ゼロ(0)をイチ(1)にできる力を二十歳そこそこの学生ができるって凄いなぁと思いました。卒業作品であれだけの完成度って本当に凄いですよ。代表と2人で作品の前で話をしていたのは…採用したいねって話をしていたんですよ(笑)。
▼田中さんの卒業制作(長崎の名物をモチーフにしたグッズ制作)
濱門さん)内部的な話をすればこの会社も高齢化?が進んでいて、40代が多いんです。だから会社としても若い人材が欲しいのはありました。ココで働いているスタッフは、経験を積んだ方が多いのですが、新卒を育てるって経験がなかったので…。
でも、二人ともウチで採用するしかないよねって、採用しない理由が見つからなかったですね。
大賀先生)それは本当に嬉しい話ですね。二人はどうですか?仕事楽しいですか?
林さん)楽しいですね。本当に自由なところが楽しいです。企画の段階から携われることや沢山意見を出せることが楽しいですね。
濱門さん)先ほど紹介した熊本市から依頼をいただいた「熊本はどう?」(熊本への移住促進サイト)などは、ほぼ自社で手掛けましたね。この仕事の企画や制作など広告展開(SNSの活用とか)様々な仕掛けを(企画)二人とも考えてくれています。
大賀先生)この仕事…素敵ですね。出来上がって2人はどう感じましたか?
林さん)サイトが出来上がった時…カッコいい~って、思いましたね。
田中さん)正直な気持ち…ホッとしました。撮影とかカタチになって良かったなぁと思いました。
濱門さん)二人には「ゼロ(0)からイチ(1)」を生み出すことの大変さを感じてもらうために、どうしても企画段階から立ち会わせたかったんですね。それを2人が目の前で見た時、当然トラブルもあるし、予定外のこともあるし、企画内容がひっくり返る事もあるし、そんな状況を見てくれていたら、いつの間にか2人もできるようになっていくと思います。
大賀先生)新卒の人がそういう場に立ち会えるのは素敵なことですね。
濱門さん)そうですね。仕事では常に「なぜやっているのか?」「なぜ私なのか?」を分かっていて欲しいと思っています。それは「次の一手」につながると思うんです。それが2人には伝わっているといいなぁと思います。どんな業務でもそれが凄く大切なんですね。」
田中さん)そうですね。今ではそういう仕事をさせていただいています。
濱門さん)経験を積めば二人ともいつの間にかできている。そうなっていくと思います。熊本の撮影ではカメラマンとして活躍している西山勲さんと一緒に仕事をして、本当に僕たちも勉強になったよね。
田中さん)朝4時に撮影に行くなんて経験も(笑)本当に学びました。
濱門さん)そうなんだよね。良い撮影をするためにみんな朝の4時でも行くんだ!その経験が大切になると思います。良い作品をつくるために妥協しない。カメラマンの西山さんは誰よりも先に水に入って撮影もするし、木に登って撮るし、被写体には積極的に声がけをするし、率先してやるんです。夕日が沈む写真一枚を撮影するためにいつまでも待つこととかね(笑)。そうした仕事をする姿を見て、僕らも感動でした。そういう本気の人を見せられたのは、本当に良かったと思いました。
大賀先生)逆に働いていて辛いことはありますか?
田中さん)全部初めてのことだから、正直辛いって感じる隙間がないですね(笑)。とにかく目の前のことに一生懸命で。
濱門さん)辛いことは本当にない?(笑)でも2人とも怒られたことないね。
林さん)作業量が多くて、大変なことはありますが、正直辛くはないですね。もっと短時間でできるように今は工夫をして考えて仕事をしています。
濱門さん)そうだね。そんな今は残業もしていないもんね。
林さん)そうですね。私たちは、ほぼ定時で帰っています。
大賀先生)仕事のやりがいとかあります?
林さん)やりがい…。全部カタチになるところですかね。写真切り抜くだけの仕事でもそれがちゃんとホームページの仕事になったりしています。
大賀先生)学校で学んだ事で今、生きていることはありますか?
田中さん)在学中にも様々な人たちとコラボしながら制作をしていましたから、社会に出ても私はいろんな人と会って、そこから共に仕事をすることが多いので、そうした経験は今も生きていると思います。
林さん)私はポスターをつくる前に原寸を出して確認する方法とか、チームで制作をする経験とか、授業でやってきた行程で学んだ事は、今に生きていると思います。
大賀先生)学生時代に2人とも様々なコラボにも参加していたもんね。濱門さん、こういう人なら共に働きたいと感じる方はどういう人ですか?
濱門さん)そうですね…う~ん。難しいですが、柔軟な人ですかね。受け入れるってこと。素直であること。どんな仕事もですが、それが無いと難しいような気がしています。「世界が広い」ってことを知って欲しいですかね。今ここで語っていることも「これが正解」ではないかもしれない。「正解がない」ってことを知って欲しいですね。多様性というか、世界にはいろんな人がいて、いろんな考えがあって、でもそこにもちゃんとマーケットがあって、自分たちのポジショニングをどうとるかってことを考える事は大事だと思います。例えば、お皿をつくる陶芸家がいたとします。でも自分がつくりたいものだけをつくっていると世の中から「それいらない」と言われた瞬間に価値が無くなってしまいますよね。世界を見た時に、そういう人たちに向けて、どんな表現なら通用するかを考えてほしいなぁと思いますね。若いうちに、2人にもぜひ考えて欲しいなぁと思いますね。2人にもそれぞれの成長の仕方があって良いと思っています。そんな2人が働くカラクリワークスも「オモシロイ」会社やってんな~と言われる仕事をこれからも生み出していきたいと考えています。
以上でインタビューを終わります。
インタビュー後、カラクリワークスの1Fは展覧会やイベントができるスペースになっているということで見学をさせていただきました。
このスペースでこれからも面白い事、楽しい事、新しい事をどんどんと発信されていくことと思います。お忙しい中、濱門さん、林さん、田中さんありがとうございました。とても楽しそうに働いている卒業生の姿をみて、本当に嬉しく思いました。これらも益々の活躍を願っています。
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今回取材をさせていただいたカラクリワークス株式会社のHPはコチラ
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