卒業生は今~10回目の個展を開催。鳥越一輝さん~

2019年9月6日 ニュース

本日は、昨年「第一回タガワアートビエンナーレ(英展)」で見事に【大賞】を受賞され、「第二回枕崎国際芸術賞展」でも【協賛賞】(Dreams Come True賞)を受賞された

鳥越一輝さんの個展にお邪魔しています。

鳥越さんと、鳥越さんの師匠、吉浦拓三先生(日本デザイナー学院九州校元講師)にインタビューしました。

 

丹下)鳥越さん、改めて「タガワビエンナーレ」そして今回の「枕崎国際芸術賞」の受賞、おめでとうございます。

鳥越さん)ありがとうございます。

丹下)鳥越さん、今回で何回目の個展になりますか?

鳥越さん)今回で10回目ですね。卒業してから一年に一回、個展を開催するようにしています。

丹下)一年に一度は必ず個展をやると決められているのですか?

鳥越さん)そうですね。僕は「目標」がないとすぐ怠けちゃうので(笑)。

丹下)個展は、この村岡屋ギャラリーで行っているのですか?

鳥越さん)そうですね。毎回この村岡屋さんのギャラリーでお世話になっています。

丹下)卒業後、現在はどのような活動をされていますか?

鳥越さん)仕事をしながら、描ける時に絵を描いてアーティスト活動を続けています。このように個展を開催したり、コンペがあればコンペにも参加していますね。

丹下)10年間、絵を続けてこられた中で、描かない。描きたくない。と感じたことはありますか?

鳥越さん)まぁ、たまには休みたいと感じることもありますが、僕の中で、絵を描かない生活は考えられないですね。それが無くなってしまったら、ただの屑(クズ)のような気がしていますから(笑)

丹下)今回の作品にも面白いタイトルがいくつもありましたが、絵を描く上で、タイトルありきですか?

鳥越さん)そうですね。様々なパターンがあると思います。これを描こうとテーマを決めて、最終的にそれがタイトルになる場合もありますし、作品が完成して最後にタイトルをつけることもあります。その方が多いかもですね。

丹下)いくつか展示してあるドローイングなどを拝見しました。自分で納得のできる作品になるまでどのくらいの枚数を描かれるのですか?

鳥越さん)そうですね。200枚とか300枚とか描いて、その中で納得のできるものが1枚あればいい方じゃないかと思います。

丹下)すみません。素人質問ですが、描いていく中でカタチや線が「決まった!」とかあるのでしょうか?

鳥越さん)う~ん。自分では判断が難しい時もありますね。その場合は先生に聞いたり、相談したりしています。

吉浦先生)彼の表現は「デッサン」とか「カタチ」を正確に捉えるようなものではありませんからね。私たちが「決まった」これは良いと感じる作品は、線の強さや線の太さ、作品からでる味わい、新しいと感じるモノが生まれ瞬間。この感覚を大切にしています。それができた時に「決まった」と感じるものだと思いますね。

丹下)今回、飾られている作品は鳥越さんが納得した作品を展示されたのでしょうか?

鳥越さん)そうですね。今回の展示は、自身が納得のできるものになったと思います。

(吉浦先生)彼が制作をし続けた10年の中で、今回の展示は選りすぐりの作品を展示しています。鳥越くんは、感性が本当に優れています。他の人にない色彩感覚や表現力を持っています。私は学生時代から彼の作品を見ていますが、学生の中には、彼よりも上手に絵が描ける方もいましたが、私は彼に上手く描くことは必要ないと教えました。上手に描くテクニックを彼が持ってしまうと、彼が持つ本来の良さが無くなってしまう可能性もあったのです。だから、学生時代の時、彼には「上手になる必要はない。鳥越くんはデッサンはやらなくていい。」と指導しました。いつか、上手に描くことをしたくなる時が来たら、その時にデッサンをやればいいと言いましたね。

丹下)「〇〇をする」という事だけではなく、「〇〇をしない」という事を指導することも、また指導なのですね。)

吉浦先生)そうですね。一人一人の持っている良さを引き出す。どう指導すればその人が発展していかを考えて指導をする必要があるのだと思います。

丹下)鳥越さんはその事をどう感じてきましたか?

鳥越さん)そうですね。本当にその通りだなぁと今も感じています。

丹下)この10年間で鳥越さん自身の世界観は確立したのでしょうか?

鳥越さん)いや~本当にまだまだです。

吉浦先生)うん、でも着実に彼の世界は出来てきていると思います。先ほど、鳥越くんは怠けちゃうという話がありましたが、彼は朝6時から夜10時くらいまで仕事をして、それから絵を描いています。絵を描ける時間は決して多くない、でも絵を描く作業だけが、絵を描く上で必要なことではないです。絵を描くまでに考えていく事や、自身の感性を磨くことは、絵を描いている時間だけではなく、色々なところから築いていくことができるからですね。

鳥越さん)今でもよく先生のところに相談にいきますね。仕事終りとか…本当に感謝です。(笑)

吉浦先生)今回は本当に素晴らしい展覧会になりました。この作品の中に一つでもダメな作品があってはならないです。一つでも完成度の低い作品があったら、この作品展はダメになってしまいます。今回もギリギリまで、どうするか考えていましたね。

丹下)鳥越さんにとって吉浦先生の存在とは?

鳥越さん)先生に出会わなかったら、今の自分は絶対にありませんね。本当にそう思います。

丹下)学生時代にこのような活動をされていくことは想像していましたか?

鳥越さん)そうですね。僕は高校でもデザイン科にいたので、個展は「いつかやりたい」と感じていました。でも「どうしたらできるのか?」とか「どうしたら賞がとれるか」など、なかなか想像ができませんでしたね。専門学校に進学し、吉浦先生と出会いました。先生との出会いは本当にラッキーでした。

学校では絵を描く授業だけではなく、グラフィックデザインなどの授業もありました。アートとデザインは違うと言われますが、僕の中では「カッコいいアート」も「カッコいいデザイン」もどちらも「カッコいい」という事に代わりはありませんでした。だからどの授業も凄く好きでしたね。どんな授業も真剣に受けましたね。

吉浦先生)この若さで、この完成度まで持ってこられた鳥越くんは本当に素晴らしいですね。でもここから苦しいでしょう。新しい魅力を出していかなければならないからですね。若いうちはどんどん、コンペにも応募してとにかく描くことが大切ですね。

丹下)こうした教え子の活躍は先生にとって嬉しいですね。

吉浦先生)そうですね。アドバイスをして、その作品が賞をとってくれたり、結果が出てくれたりすると本当に嬉しいですね。

丹下)鳥越さん、私は本当に知りませんでした。鳥越さんが朝から夜まで働いて、その隙間の時間で絵を描き続けていることを…それって本当に凄いことですね。

鳥越さん)いや~そんなことないですよ。

吉浦先生)生活もしなくちゃいけないから、本当は絵が描けるような状態ではないですよ。

鳥越さん)好きなんですよ。でも先生と会っていなければ描いていないかもしれませんよ。

吉浦先生)一緒に彼とやってきて思う事は、彼はずっと絵を描き続けて、描き続けた先に絵を描く本当の楽しさや魅力を知ってしまったんだと思います。

鳥越さん)でも一人だったら、それを続けることは難しかったかもしれませんね(笑)

 

以上でインタビューを終わります。お忙しい中、本当にありがとうございました。

インタビュー後も吉浦先生と鳥越さんは絵についてずっと2人で話されていました。

この個展は9月8日(日)まで村岡屋ギャラリーで開催しています。

ぜひ足を運んでみてください。

※本日(9月6日 西日本新聞朝刊の文化面にも鳥越さんの記事が掲載されています。)

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英展大賞受賞・枕崎国際芸術賞展受賞記念展
鳥越一輝展
2019.9/3(火)-8(日)
am11:00-pm18:00(最終日17:00まで)
作家在廊日3.5.7.8日

村岡屋ギャラリー2F .3F
福岡市中央区新天町天神南通り村岡屋

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というわけで…鳥越さんの作品が展示してある鹿児島県枕崎市へ…

9月16日まで、鹿児島県枕崎市で開催されている「第二回枕崎国際芸術賞展」に見学に行ってきました。

小高い丘の上に枕崎市文化資料センター南溟館(なんめいかん)はあります。

そこから海を眺めると、こんな景色!本当に素敵な場所にあります。

枕崎市全体でこの国際芸術賞展を盛り上げていました。液を下りるとフラッグをよく目にします。

素晴らしい作品が展示されています。

この中に…鳥越さんの作品が?

ありました!写真で見るより実物を見た方が迫力も違いますね。

ここまで来た甲斐がありました。みなさんもぜひ!足を運んでみてくださいね。

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